今回は、学校選びにおいて、何だかんだで意識しがちな”ブランド”について、独自に分析しようと思います
今回は、少し下世話な話ですが、
みなさん、中高一貫校を選ぶにあたり、”ブランド”を意識していますか?
個人的な意見としては、せっかく中高一貫校目指すのなら“ブランド”も意識して学校選びしたほうがモチベーションにも繋がりますし、プラスに働くと思っています。
確かに社会に出て、中学・高校名を言う機会なんてそうそうないですし、アピールするケースも基本無いんですが、ちょっとしたタイミングで活きる可能性もあるので、ブランドには拘ったほうが良いと思っています。
中高一貫校ブランドが”地味”に効く理由
世の中、表向きには実力主義の傾向に傾いてますが、実態としては学歴も未だに重視されています。
もちろん一番効果があるのは最終学歴 である”出身大学”ですが、万が一”最終学歴”がそこまでなくても、中高一貫校のブランドが効くシーンが地味に多いです。その背景を分析していきます
大学受験と異なり、中学受験は1回(1シーズン)勝負なので、希少価値が高い
まず、実際に東大・京大に行けた人でも、最難関・難関中学には行けなかった、ケースは多いです。
例えば23年の大阪桐蔭は27名(浪人含む)が、東大・京大へ進学しています。中高で頑張って学力を伸ばした結果ですので素晴らしい事ですが、少し見方を変えると、基本的にこの27名は、中学受験では難関・最難関中学に進めなかった生徒とも言えます(中にはごく稀に大阪桐蔭第一志望もいたかもしれませんが)。
そのような生徒+親が将来、灘、西大和学園、高槻などの難関・最難関校出身、という子にあったら、どのように思うでしょう?
“地頭良いんだな”と思うわけです、仮に自分が京大に進んで最終学歴が上だとしても。
中学受験をしなかった人は凄さを実感出来ないかもしれませんが、中学受験に関わった事のある本人や親は過去の経験から、難関・最難関中学の凄さ/難しさを肌感覚で覚えているわけです。
また、大学受験は失敗しても、浪人という”延長戦”の選択肢がありますし、本人+親が望めば何度もチャンスを与えられますが、中学受験は、小6のみが参加出来る1シーズン限りのガチンコ勝負で、浪人のような延長戦はありません。それ故、希少なのです。今年ダメだったら、ダメなのが中学受験の厳しさで、その1シーズンだけの勝負で結果(最難関・難関合格)を残した人、というのは、中学受験に関わった人からすると一目置かれる存在なわけです。
関西は、地元割合が多く、中高一貫ブランドが効くシーンが多い
また、関西特有のカルチャーだと思いますが、関西出身の方は、大学も関西、就職も関西、というケースが多く、地元に残るケースが多く、大企業もその割合が高いです。加えて、大企業に進む人は、小学受験/中学受験をしている割合も標準と比べ高くなります。
例え社会人でポンコツ感を出していても、ブランドのある”XX高校です”、と言うと、それだけである程度感心される、というか保険になるケースもあります、
また、プライベートでも、結婚前の顔合わせでも、関西で子育てをしてきたら親なら、中高一貫の最難関校・難関校についてもある程度知見はあるわけで、相手がブランド校出身と分かれば、親としても悪い評価をする事はないでしょう。
中高一貫ブランド校とは?
次に具体的にどういった中高一貫校がブランド校と言えるのか、相手に与える心理も踏まえ、事例を交えながら分析してみましょう。まずは、会話の例から。
出身は、”東大寺”です
(うわあ、東大寺とかめっちゃ賢いやん。。。)
出身は、”高槻”です
(へえー、高槻か、賢いなぁ)
出身は、”須磨学園”です
(確かスポーツコースと難関大コースと、
複数コースある学校だよな、この人はどっちだろ?)
関西の中高一貫校に知見のある人は、恐らく上記のような反応なのではないでしょうか?
ブランド化の条件:高偏差値の最難関校+難関校であること
まず、ブランド化の条件として、シンプルに偏差値が高い(=入学難易度が高い)学校です。
「えー、XX出身なんだ、すごーい」という学校です(例が知性の欠片もないですが、、、)
基本、高偏差値で且つ伝統もある学校が多いです。
- 灘/甲陽学院/東大寺学園/洛南/西大和学園
- 大阪星光学院/洛星/高槻/清風南海
- 帝塚山/四天王寺/神戸女学院/六甲学院
ブランドでは、この“校名を言うだけで、賢いと認知される”という点が非常に重要です。
逆に、このブランドが少し機能し難い学校を例としてあげましょう
- 須磨学園
- 清風
- 大阪桐蔭
- 東山
須磨学園Bコース:偏差値63、清風プレミアム:偏差値60ですし、大阪桐蔭、東山も偏差値50後半で京大合格の実績も多いわけですが、個人的には、校名聞いただけで反射的に凄い、という判断にはなりません。
ブランド化の条件:レベルの異なる複数コース(+文武別道)が無いこと
そもそもブランド校が、何故ブランド校として認知されてるかというと、一定レベルの偏差値以上無いと入れない、と広く認知されてるからです。このようなブランド校は、トップであろうがビリであろうが、入学出来ている時点で、偏差値の高さを客観的に証明出来るわけです。
須磨学園の例
これに対し、ブランド化し難い学校の例として、須磨学園を見てみましょう。須磨学園Bコースは、偏差値63ですので大阪星光学院と同等レベルですし、Aコースも偏差値57と高槻/六甲学院と同じかそれ以上というわけで、中学入学組の偏差値だけ見れば、ブランド化の条件を十分満たしている学校と言えます。
ただ、須磨学園は高校からスポーツコースを置いています。スポーツ頑張る子と、勉強を頑張る子を分けた、文武別道の学校です。同様に、清風/大阪桐蔭/東山なども、勉強以外でも一芸に秀でた子を育てるコースが存在するわけですが、これが文武”両道”ではなく、文武”別道”なのが、ブランド校への足かせになってしまうわけです。
よって、須磨学園出身と聞いても、そこまで学校に詳しくない人からすると”何かスポーツで聞いた事あるなぁ”ぐらいですし、詳しい人は詳しい人で、”この人、中学入学組なんだろうか?高校入学組なんだろうか?スポーツコース?”という反応になるわけです。
このようにモノサシの異なる複数コース制が引かれていると、入口の偏差値が一律では無いので、単純に校名だけでは、入学難易度の客観的な証明が出来ないわけです。(スポーツコースのほうが偏差値以上に狭き門、という可能性もゼロではないですが、、)
大阪桐蔭の例
大阪桐蔭の場合、過去Yahoo の記事(デイリー)で印象深いケースがあったので紹介します。
大阪桐蔭出身の女子アナ、アイドルが記事になった事があったのですが、その記事のタイトルに、“文武両道の超難関校卒”とか“京大多数合格の超難関校出身”と付けられた結果、どうなったかと言うと、“大阪桐蔭は超難関校じゃないだろ”と、上位のコメントが辛辣コメントで埋め尽くされる結果となりました(当の本人や学校が悪いのではなく、このようなタイトルを付けたデイリー側の問題なんですけども、、、)
大阪桐蔭が、勉強だけに限らず、野球やサッカー、ラグビー、吹奏楽など、様々な分野で一流なのは確かですが、逆にそのような多角化が、ブランド化を遠ざている要因にもなっている、という不都合な真実があるわけです。
このような世間の反応を見ると、部分的に、入口の偏差値がそこそこあって、出口の進学実績が良かったとしても、学校側が様々な基準・条件で生徒を入学させている限り、残念ながら進学校ブランド校として認知され難い、というのが現状です。この点は、個人の頑張りではどうにも出来ないところではあるので、もしそこら辺が気になる、という方は、その点も意識して学校選びをするようにしましょう。
※補足 ブランド校の中でも、洛南や四天王寺も、ちゃっかり文武”別道”を行っていますが、こちらはボリュームゾーンが高偏差値帯である事と、”伝統”の力で世間的に評価されていますね笑(大阪桐蔭も伝統があったらブランド校として許されていた世界線があったかもしれませんね)
- “進学校ブランド”を意識するなら、下記方針で学校を選ぶ
- 偏差値55以上の中高一貫校
- 中学受験時に複数コースを敷いていない
- 高校受験での入学が無い(少ない)
- 仮に複数コースや高校入学組があっても、同様に偏差値が一定以上であればOK(例:清風南海)