今回は、大阪の難関私立の2強 「清風南海」と「高槻」をいろんな視点で比較してみようと思います
どちらも、偏差値60付近の難関校+共学校という事で、最難関組の抑え+難関組の本命+中堅組のチャレンジと、多くの層からターゲットにされる大阪を代表する私立中学です。昨年のデータでは、高槻が志願者数関西1位の2217名、清風南海は3位の1912名となっています(ちなみに2位は開明)
この両校をいろんな視点で簡単に比較してみたいと思います。
①大きな違いは無いので、基本はアクセスの良いほうでOK
色々似た要素が多い両校ですが、圧倒的に違う点が1つあります。それは立地です。
同じ大阪とはいえ、結構違います。
大阪の北部、高槻市にある「高槻」と、大阪の南部、高石市にある「清風南海」と、キレイに北と南に分かれます。
関西(大阪)大阪住まいの人からすると、大体どちらか一方がアクセス良くて、もう一方はアクセス悪いというケースが多いと思うので、大抵の場合、アクセス都合で、自然とどちらか一方に絞られます。
アクセス以外にも、比較する要素はありますが、今後述べる他の要素を考慮しても、遠いほうが近いほうを逆転するまでの違いは正直無いかなと思います。
大阪市のように中間地点距、という前提を置いた場合、どちらがベターかと言うと、個人的には「高槻」が良いかなと思います。
高槻は、最寄りの高槻市駅が、梅田から阪急一本で行けますし、反対側の京都からもアクセス良いわけです。それも「高槻」は駅からも割と近いですし、通学に大きな課題は無いです。
では、清風南海はどうかと言いますと、最寄りは南海電鉄の高石駅/北助松駅です。なんば方面から見て、一つ前の羽衣駅は急行停車駅ですが、高石駅/北助松駅は普通しか止まりませんので、高槻と比べると少し不便ですね。また、高石駅/北助松駅と2つ書いている通り、清風南海はこの2駅のちょうど中間点に位置しているのが厄介です。そのため駅からも少し歩くかなという感じです。
ただ実のところ、私が個人的に一番気になるのは、距離の問題よりも、通学までの「雰囲気」なんですよね。
抽象的で申し訳ないんですが、清風南海に行くまでの道のりの雰囲気があまり好きじゃないというか、南部特有の寂れた雰囲気が少しネックかなと(すみません、清風南海自体が悪いわけでは無いです)。
というわけで、基本は近いほうで。どちらも同じ距離なら、高槻で、という感じで。
②コース制
まず、高槻ですが、コース制を敷いておらず単独コースのみです。
一方、清風南海は、上位の”スーパー特進コース”と、”特進コース”の2コース制です。
複数コースを導入する/しないは、メリット/デメリット両方あると思っています。
皆さんもご認識の通り、最難関の学校ほど、単独コースのみですし、最難関から、難関、中堅と下がるほど、コースが増える傾向にあります。複数コースを設けると、上位コース側の偏差値が上がるため、見た目上、メリットもあるのですが、安易にこの複数コース制に手を出さない学校というのは、一流校としての証というかプライドと個人的には捉えています。
そういう意味では、高槻はまだまだ気概があるなぁと思うわけですが、偏差値的には、清風南海「スーパー特進」> 高槻 > 清風南海「特進」ですので、偏差値の高さに拘るのであれば、清風南海をチョイスしたほうが良いですね。
実際、最難関層から見た”抑え”という視点で見ると、やはり偏差値重視になるため、高槻より、偏差値の高い清風南海の「スーパー特進」のほうが選ばれやすい傾向にあります(入試日程の関係もありますけども)
③進学実績
一応進学実績も比較してみましょう
項目 | 高槻 | 清風南海 |
---|---|---|
生徒数 | 260 | 274 |
東大・京大 | 22 | 28 |
大阪大・神戸大・大阪公立大・京都府立大 | 45 | 58 |
一橋大・東京工業大・東京外国語大・東京都立大・筑波大 | 1 | 3 |
北海道大・東北大・名古屋大・九州大 | 6 | 10 |
高槻の卒業生数がハッキリとは分かりませんでしたが、例年260名程度なので、その前提とすると、
清風南海のほうがやや生徒数が多いとは言え、やや実績は上回るのかなという感じがします。ただ、どちらも凄い実績で誤差レベルなので、そこまで気にしなくて良いかなと思います。
その他の観点
知名度
これについては、高槻より清風南海のほうが上だと思います。理由は単純で、清風南海には今尚、高校受験もあるからですね。高槻は高校からの募集を2004年に停止しており、最近の高校受験する世代的には、あまり自分事として、縁がない学校です。この高校受験が無いと、意外に知られない現象は、私自身が学生時代身をもって認識しています。九州の偏差値50程度の県内唯一の中高一貫校でしたが、校名言っても、どこそれ??みたいなケースが割とありましたので、、、(さすがに高槻はある程度知名度ありますが)
なので、高校受験の有無で、だいぶ知名度は違ってくる印象です。
雰囲気
世間的には、高槻が割と自然な感じ(比較的緩め)で、清風南海は一応宗教学校でもあるので、情操教育があったりと硬め、という印象ですが、こればっかりは、実際に入ってみて、個人個人でどう感じるか、にもよるので少し難しいかなと思います。
高槻入ったけど、思ったより管理型で自由が無いな、と思う人もいれば、清風南海入ったけど、思ったより厳しくないな(ストレス感じ無いな)、という人もいるでしょうし。
まぁ両校とも、標準な人が順応出来ない程、癖のある学校では無いので、概ねこんな感じかなの認識だけ持っておく程度で良いのではないでしょうか。
部活
部活については、どちらも正直力を入れてるという感じはなく、公立の文武両道校と言われるようなレベルでは無いかなと思います。部活の時間の制約もありますし、言い方悪いかもしれませんが、やや運動不足解消的な要素かなと思います。
そんな中でも、高槻はアメフトが有名ですね。まだまだ頑張っているようですが、昔の関西大会優勝した頃と比べると少し落ち着いてきたかな、という印象です。
清風南海は、ソフトボールです。こちらも昔は強かったですが、近年は興国の牙城を崩せなくなっています(さすがにスポーツ校との勝負となると厳しいでしょう)
学費
学費も、学校として公開している費用と、公開していない費用が学校毎にバラバラだったり、実はオプション費用であったりと、厳密に計算が出来かねますが、私立学校として一般的に共通に掛かる費用で言えば、高槻より清風南海のほうが安い、です。
とは言え、大学附属校と比べると、大きな差とも言えない気はするので、あまり学費で決める人も多く無いかなと思います。
- 高槻・清風南海のうち、基本は近い方を選ぶでOK
- 他に細かい拘りがあれば、踏まえて検討する
- 高偏差値が良い・キッチリ勉強の面倒見て欲しい→清風南海
- 少しでも明るい雰囲気が良い・アメフトしたい・映えた図書館が良い→高槻