今回は、中高一貫校を選ぶ中で、論点に上がり易い”大学附属校”について、独自に分析しようと思います
大学附属校のメリット
“大学附属校”と言えば、関西圏でも一定の人気を誇っています。
大学附属校の一番の魅力と言えば、言わずもがなではありますが、”大学までのエスカレータ進学“です。
- 一般の中高一貫校
- 中学受験→高校受験無し→大学受験
- 大学附属校の場合(中学入学時)
- 中学受験→高校受験無し→大学受験無し
世の中の高校生が大学受験に向けて必死に勉強したり、進路に悩んでいる中、受験勉強しなくても、大学へ内部進学出来るわけですから、安心ですし、青春を受験勉強以外にも充当出来る、という点では、メリットがあるとは思います。
ちなみに、関西の大学系列校では、”関関同立”を中心に下記のような中学があります。
- 関西学院大 系列:関西学院/関西学院千里国際
- 関西大 系列:関大中等部/関西第一/関大北陽
- 同志社大 系列:同志社香里/同志社/同志社国際
- 立命館大 系列:立命館/立命館宇治/立命館守山/初芝立命館
※厳密には系列校/附属校/提携校と違いはありますが、今回は省略
どれも人気はありますが、初芝立命館や、同志社香里が最近、特に勢いがあるようです。
上記、系列校に中学受験で入学すれば、高校→大学までエスカレータで行けるわけですが、私個人的には、この大学附属のエスカレータ式は、少しどうなんだろうな、と思う点があるわけです。
大学附属校の気になる点
デメリットとまでは言いませんが、個人的に少し気になる点を挙げたいと思います。
附属中の偏差値が高過ぎる事による”元本割れ”
例えば、有名どころの大学附属中の偏差値を見てみますと、
立命館(55)、関西学院(57)、立命館守山(54)、同志社香里(54)、となっています。
後期日程で試験がある関係もあったりしますが、結構高い偏差値です。
入口の偏差値がもっと低い学校だと、将来、関関同立への行けるかも怪しいわけなので、附属校特有のエスカレータの恩恵を享受出来ますが、上記のような入学偏差値55付近の附属校に進むような子達の場合、そもそも普通に勉強すれば、エスカレータに乗らずとも関関同立に進める学力レベルを十分備えています。
他の大学附属でない中高一貫校なら、大阪公立大や神戸大、阪大などに進学するケースも多いですし、順調に伸びれば京大だってあり得ます。偏差値55以上の附属中に進む子はそれぐらいのポテンシャルを持っているわけです。
そのような子が、エスカレータで関関同立に進む、と考えると、余計なお世話だと思いますが、何かもったいなくないか?って思ってしまうんですよね(個人の意見です)
エスカレータに乗ったほうがそりゃ楽なのですが、君達の力なら、自分で階段駆け上がったほうが早いし、エレベータで行ける階より上の階まで行けるのに、と何だか宝の持ち腐れのように感じてしまうわけです。
トータルの学費負担が大きい
また、当たり前ではありますが、大学附属の中学入学するという事は、その時点で、中・高・大で私立に通う事がほぼ確定するため、経済的な負担は当然大きくなります。
そもそも中学受験は、国公立大学に進むための先行投資と考える家庭も多いので、そのような家庭からすると、中学受験時点で私立大が確定してしまうと色々本末転倒になってしまいます。
実際、国公立大学の4年間の学費が約250万に対し、関関同立の4年間の学費は約600万と2倍以上の差があります。
国公立大にチャレンジしようとしたけど、結果的に無理だったから、関関同立に進むというケースなら、まだ納得行くかもしれませんが、小6時点で実質私立大学を決めてしまう、のは個人的には中々難しい判断かなと思います。
- 大学附属中を選んだほうが良い人
- 中学〜高校で、勉強以外にやりたい事が明確な人
- 中学受験時の偏差値が40〜50程度で、大学受験で”関関同立”に行く自信が無い人
- 大学附属中を選ばないほうが良い人
- 少しでも学費を抑えたい人
- 成績次第で、”関関同立”以上の大学を検討している人