今回は、大阪市旭区の淀川沿いにある常翔学園について、シンプルに掘り下げてみようと思います。
-
- 入り易さ
- 5
-
- 進学実績
- 3
-
- ブランド力
- 3
-
- スケール(設備)
- 5
-
- アクセス
- 4
2025年度入試情報 ★new!
※以降は2024年時の情報になります
基本情報
学校の公式HPは下記です。
住所:大阪市旭区大宮5丁目16番1号
中高一貫の男女共学校
常翔学園と言えば、まず思い付くのは、「高校ラグビー」ですよね。あのラグビーの強い常翔学園高校の中学校になります。大阪桐蔭と同じく文武別道校なので、中学から入る子等は、部活は嗜む程度で基本勉強一色です。
中学の歴史は意外とまだ浅く、2013年に中学開講なので、まだ10年程度の新しい中学校ではあります。また、難関大進学に特化したスーパーJコース(SJコース)の創設は2022年と最近です。
1学年の募集人員数はSJコース25名/特進コースI類II類100名の計120名で、実際の入学者数は140名程度です。他の中高一貫校と比べると、後付けで中学が出来たせいか、意外と少数ですね(開明は300人ぐらい取ってますし)
クラス数は4クラスで、女子入学者の割合が2024年度47.7%となっています。女子率は年々増加傾向にあり、近い内に5割を超えてきそうな勢いですね。
出願はコース毎に行うわけではなく、純粋に入試の成績上位からSJコース->特進コースI類->特進コースII類の順に枠が埋まっていく形です。
通われている学生の地域については、2023年度データでは、約半数が、大阪市内からの通学となっています。次に、守口市、尼崎市、吹田市、枚方市、東大阪市の順となっています。
尼崎市が3番手というのが意外ですね。常翔学園は基本、梅田からの大阪市バスのアクセスになるので、梅田へのアクセスが良い尼崎市からしてみると、通学圏内に十分入る学校、という事ですね。
偏差値は51〜40
入学試験は統一入試日初日から計4回開催され、各偏差値は下記の通りです(※能開センター公開偏差値)
ちなみに、3コース(SJコース25名/特進コースI類/特進コースII類)ある事もあり、偏差値帯は結構広めです。
- 1日目午前(A日程)
- SJ48 / 特進I類43 / 特進II類40
- 2日目午前(B日程)
- SJ50 / 特進I類47 / 特進II類42
- 2日目午後(C日程)
- SJ50 / 特進I類48 / 特進II類42
- 3日目午後(D日程)
- SJ51 / 特進I類47 / 特進II類45
SJが偏差値50で、特進I類II類は偏差値50を超えない、と認識しておけば良いと思います。
SJは、同偏差値帯でご近所の開明のS理数や、大阪桐蔭の英数選抜としのぎを削る感じですね。
また、SJの上位には特待生制度がありますので興味のある方は下記記事をどうぞ。
また、複数回受験による加点制度があり、2回目受験から10点プラスとなります。
開明も複数回受験の加点制度があり、レベル・アクセスも近いという事もあるので、常翔や開明か迷う点も多いと思いますが、受験する際は、どちらか一本に決めて2回以上受けるのがベターかなと思います。
2022年度から設けたSJ組1期生が、高3時の大学入試でどのような結果を残すのか注目されます(まだまだ先の話ですが)
最低偏差値は40という事で、この値は、金蘭千里や、開明、大阪桐蔭の最低偏差値よりも低い値となるので、ひとまずどこかに合格しておきたい、と考える層にとっては、下のレンジが広い分、狙い目の学校にはなると思います。
最寄りのバス停は大阪シティバス「大宮小学校前」
常翔学園へのアクセスは、電車よりも圧倒的にバスで、大阪シティバス「大宮小学校前」徒歩3分となります。この「大宮小学校前」を通る大阪シティバス34系統は、梅田から出ているバスで、朝の通学時間帯は2分に1本の頻度でバスが来る、バスの本数が日本一?とも噂される路線です(実際に日本一かどうかは裏付け出来ていませんが、実際に34系統をたまに使う事のある自分の経験則からすると、バスを待たずともバンバン来るイメージはあります)
基本は上記の通りバスでの通学が大半だとは思いますが、バス路線(34系統)と上手く噛み合わないと言う方もいると思います。そういう方は、谷町線の「千林大宮」駅、もしくは、「太子橋今市」駅を使う事になりますが、どちらが近い、というわけでもなく、どちらも徒歩12分と少し歩く形にはなります。
どういった層が受験しているか?
大阪市近辺の受験者層を想定した場合、基本的には、下記が想定されます。
- 常翔学園 本命組
- 大阪星光学院/四天王寺 滑り止め
- 高槻/清風南海 滑り止め
基本、併願校の位置付けとしては、開明や大阪桐蔭とそうは変わらないと思います。先程説明した通り、梅田からのアクセスに優れているので、広域で併願校に設定されるポテンシャルは十分あると思います。
常翔学園中学の特徴 4選
常翔学園の特徴について、私独自の切り口で4つ取り上げようと思います。
特徴① 大学含めた学園全体の施設力が抜群
淀川の河川敷に広がる広大なグラウンドや、人工芝グラウンド(2025年秋に2つ目の人工芝グラウンドが出来る予定)の運動場に加え、OITホールなど、施設の規模では、大阪の私立中学でもトップクラスです。系列の大阪工業大学も隣接しており、大阪工業大学の設備と連携したプログラムを提供したりなど、学園全体のスケールメリットを活かした教育が出来るのも大きな特徴です。ちなみに梅田のど真ん中にあるOIT梅田タワーも使う事があるみたいですね。
特徴② キャリア教育(STEAM+ガリレオプラン)が充実
STEAM(Science Technology Engineering Art Mathmatics)という学問領域を横断したキャリア教育にも力をいれています。すぐ横の淀川での環境研究やプログラミング教育など、中学から様々なテーマに取り組みます。また高校では、より発展させたガリレオプラン研究という様々なゼミに分かれて科学探求授業を行っていきます。こういった活動が、学校推薦型・総合型選抜試験のインプットに繋げれるようです。ただの教室の座学だけでは、ネタは仕入れ難いですし、このような実体験も含めた取り組みがあるのがありがたいですね。
特徴③ 勢いがある ”学園っぽさ”がある
中学の制服は常翔ボルドーという、赤紫色のブレザーで、少し学園ドラマに出てきそうな制服です。そのせいか、何となく見た感じ雰囲気が明るいというか、いかにも私立の”学園っぽさ”を感じます。冒頭で触れた通り、最近女子率も増えてるとの事ですが、こういう”学園っぽさ”も女子が増えてる理由に寄与しているのかもと感じました。
総志願者数も10年前に比べ、3.3倍以上増加し、平均偏差値も5年前より4ポイント以上アップしているとの事で、近年急成長しており、大阪市内の私立中学では今一番勢いがあると思います(その分、今後難化するかもしれません)
ちなみに、先日、常翔学園と開明を同日に見学しましたが、雰囲気的にはやはり常翔のほうがいろんな意味で明るくみえて、開明のほうは少し硬いかな、という印象は受けました(生徒だけでなく先生の進行等も含めて)
なので、どちらが楽しそうかと聞かれたら、個人的には何となく常翔を選ぶかなという感じがしました(あくまで外から見たざっくりイメージです。どちらの学校も素晴らしい学校だとは思いますが)
特徴④ 入試担当の喋りが上手い
かれこれ3回は、説明会で話を聞いているのですが、入試担当(白髪のおじさま)の喋りが上手いです。
芸能関係でそういう仕事でもしてた人なのかな?と思うぐらい上手いです(宗教勧誘としてヘッドハンティングされやしないか心配です)
熱意というか、そういうのを訴えかけるのが上手なんでしょうね。
大手塾開催の中学説明会で、1日で常翔含めて4校程度まとめて説明を聞いた事がありましたが、やはりその時も常翔の入試担当の説明が一番引き込まれる感じがあった印象です(他校が悪いというわけではないです)
中学受験は子どもが主役とは言え、親が中学の情報を子どもに伝えていくわけですから、まず親の心を掴まない事には始まりません。そういう意味では入試担当の喋りの巧さも重要だなと感じます。
その他(番外編)
- JOSHO+という放課後学習システムがあり、食堂が自習用エリアで開放される
親視点では勉強済ませて帰ってきて欲しいですね(笑) - 説明会行ったら、過去問(赤本)と校内で手作りのパンもらえた
(息子も美味しいと言っていた) - 自転車の駐輪場は校舎内の1階にあるので雨でも濡れない
- 年間行事に新たに富士登山イベントが追加(中2の7月)
- 学園ドラマっぽい私立さを求める子にオススメ
- 自分達で新たに実績を作って行くチャレンジ精神のある子にオススメ
(学校に引っ張ってもらうというより、学校と一緒になって頑張る感じですかね) - バス路線(34系統)にマッチしている子にオススメ